リウマチ科(リウマチ・膠原病センター)
診療科よりひとこと
リウマチや膠原病は長い付き合いになることの多い病気です。今後のことを考えると、大きな不安を抱えながら治療に取り組む患者さんも多いと思います。
鹿児島赤十字病院では、リウマチの治療を専門とする医師を多数擁し、毎日の生活の質を上げるために、効果的に痛みをコントロールし、薬物療法等によって病気の症状消失を目指しています。
外来は完全予約制になっているため、少ない待ち時間で受診することができます。
名誉院長 松田 剛正
こんな病気です
- 朝、起きたとき、関節が腫れぼったくて、こわばっている
- だるい
- 微熱がある、微熱が続いている
- 皮膚関節が痛い
- 関節が腫れている
- 皮膚にかたまりができている
- 手や足の形が変わってきた
関節リウマチは、何らかの原因で体の免疫に異常がおきて、自分の体の成分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。このような病気は「自己免疫疾患」と呼ばれます。
症状は主に関節に現れ、腫れや痛みが左右の関節に対称的に出るのが特徴です。また特に朝起きた時に関節の動かしにくさ(朝のこわばり)を感じる方も多くいらっしゃいます。
関節リウマチの症状は、このように関節に出るばかりではありません。炎症が続くと、だるい、微熱が続く、疲労感がありなかなかとれない、といったからだ全体の症状にもつながってしまいます。
気になるのは関節破壊の進行!
関節リウマチで、痛みなどの自覚症状以外に注意しなければならないうちの一つが、関節破壊の進行です。関節での炎症が続くと、次第に骨や軟骨が破壊され、そのまま放置しておくと関節全体が固まったり、変形してしまう事があります。
関節リウマチは進行させないことが大切!
リウマチでお悩みの方や心配されている方、上記の箇条書きで該当する項目がある方は、お気軽にご相談ください。特に疼痛でお悩みの方には、幅広い治療法で対処させていただいております。
一人で悩まないでご相談ください。一緒にがんばりましょう。
対象疾患
主に下記の様な疾患を診療対象としております。診療科がわからない方は総合受付にご相談ください。
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性硬化症(強皮症)
- 皮膚筋炎/多発性筋炎
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- リウマチ性多発筋痛症
- 血管炎症候群
- ベーチェット病
- その他のリウマチ膠原病疾患
検査について
リウマチを確実に診断できる簡単な検査方法は存在しません。そのため病歴、身体所見、血液検査、画像検査などの結果を総合的に判断して診断する必要があります。
画像検査で最も重要なものが「X線検査」ですが、最近は「関節超音波(関節エコー)検査」にも力を入れています。
この他、MRIやCTなどの検査も行っております。
治療について
リウマチの薬物療法はこの10年で目覚ましい進歩をとげています。当院でもメトトレキサートや生物学的製剤の投与により、病状の寛解を目指しています。
薬物療法
当院でのメトトレキサート・生物学的製剤使用状況(平成20年11月~12月)
リウマチ科受診患者数:1,159名中 メトトレキサート処方患者数:670名
| メトトレキサート投与量 | 症例数 | % |
|---|---|---|
| 12-16 | 169 | 15 |
| 9-11 | 115 | 10 |
| 8 | 215 | 18 |
| 6-7 | 172 | 15 |
| 1-5 | 120 | 10 |
| 0 | 368 | 32 |
生物学的製剤患者数(現在使用中の方のみ)
| レミケード | 80名 |
| エンブレル | 67名 |
| ヒュミラ | 35名 |
| アクテムラ | 58名 |
| オレンシア | 42名 |
| シンポニー | 19名 |
| 治験薬 | 16名 |
| 計 | 317名 |
|---|
手術
残念ながら関節破壊が進行してしまったり、初診時にすでに関節破壊を生じて機能障害を認めている患者さんには、手術によって関節機能の回復を図ることを選択肢の一つとしてお勧めしています。
当センターでは整形外科との連携により、リウマチの患者さんの手術にあたっています。
リハビリテーション
人の身体は動かないでいるとすぐに衰えてしまいます。それは関節も同じです。痛いからといって動かさないでいると、関節が固くこわばってしまいます。
そこで重要なのがリハビリテーションです。歩くことや座ること、あるいは食事をしたり、服を着たりといった日常生活を送る上で欠かせない動作に、できるだけ支障が出ないようにするためには、関節リウマチを発症したら、すぐにでもリハビリテーションを開始するようにしてください。
当院ではリハビリテーションの専門スタッフが、正しい関節リウマチのリハビリテーションを指導いたします。
診療実績
| 平成25年診療患者数(2-3月) | 1,519名 |
|---|---|
| 関節リウマチ等 | 1,184名 |
| 成人スチル病 | 14名 |
| 血清反応陰性脊椎関節症 | 17名 |
| 全身性エリテマトーデス | 93名 |
| 混合性結合組織病 | 17名 |
| 強皮症 | 46名 |
| シェーグレン症候群 | 24名 |
| 多発性筋炎・皮膚筋炎 | 18名 |
| 血管炎症候群 | 13名 |
| ベーチェット病 | 5名 |
| リウマチ性多発筋痛症 | 35名 |
| その他 | 53名 |
治験診療
負担が高額となる新薬が利用できる治験を行っております。効果の期待される薬剤を早く使用でき、経済的負担が大幅に軽減されるなどのメリットがあります。特に発病初期の患者さんにおすすめします。興味のある方はお申し出ください。
スタッフのご紹介

| 名誉院長 | 松田 剛正(鹿児島大学医学部臨床教授) |
|---|---|
| 専門領域 | 関節リウマチ・膠原病諸疾患 日本リウマチ学会認定リウマチ指導医 日本内科学会内科認定医 |
| 大坪 秀雄 (リウマチ・膠原病センター長) | 日本内科学会内科認定医 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医日本リウマチ財団リウマチ登録医 |
| 赤池 章吾(リウマチ科部長) | 日本リウマチ学会 リウマチ指導医 |
| 榮樂 隆一 | 常勤医師 |
| 上原 夕季 | 常勤医師 |
| 重水 早苗 | 非常勤医師 日本リウマチ学会 リウマチ指導医 |
| 伊藤 貴祥 | 非常勤医師 |
| 中村 大悟 | 非常勤医師 |
| 秋元 正樹 | 非常勤医師 |
| 松下 格司 | 非常勤医師 |
| 吉玉 珠美 | 非常勤医師 |
| 有馬 直道 | 非常勤医師 |
| 海江田 智絵 | 非常勤医師 |
| 榮樂 千穂 | 非常勤医師 |
| 赤羽 宙志 | 非常勤医師 |
スタッフ構成
| リウマチ科医 | 4名(指導医1名、専門医3名) | |
| リウマチ整形外科医 | 4名(指導医1名、医師3名) | |
| リハビリテーション科スタッフ | 理学療法士7名、作業療法士4名、言語聴覚士1名 | |
| ソーシャルワーカー | 2名 | |
| 他科協力医 | 麻酔科専門医 | 1名 |
| 消化器科専門医 | 1名 | |
| 脊椎外科専門医 | 1名 | |
| 脊椎外科専門医 | 1名 | |
| 大学などからの協力 | リウマチ専門医 | 3名 |
| 循環器専門医 | 2名 | |
外来診療日一覧表(午前)
| 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
|---|---|---|---|---|
|
大坪・榮樂(隆) ・海江田・有馬 |
大坪・重水・秋元・有馬 |
吉玉・海江田 ・秋元・赤池 |
松田・大坪 ・伊藤・赤池 |
松田・松下・中村 ・赤羽・赤池・有馬 |
※出張などにより主治医が不在になることがございますので、ご来院の前には必ずご確認下さるようよろしくお願いいたします。
その他
リウマチさんのおしゃべりの部屋
(社)日本リウマチ友の会鹿児島県支部の活動の一環として、平成16年9月より、月2回鹿児島赤十字病院内の1室にて「リウマチさんのおしゃべりの部屋」を開催しています。患者さん同士、あるいは患者さんを支えるご家族にお気軽に立ち寄っていただき、親睦を深めていただいたり、友の会による自助具の展示・販売なども行っています。
来院した際にはどうぞお立ち寄りください。

