患者さん向けお知らせ
悪石島災害派遣 看護師インタビュー:原田看護師の現地活動報告
〇派遣決定の経緯と出発まで
7月4日(金)14時30分頃、県から支部を通じて当院へ看護師1名の派遣依頼がありました。
余震が続いていたことから看護部内では事前に派遣についての話し合いが行われていたそうですが、派遣決定までの詳細をお聞かせください。
原田看護師コメント:
「その日は日勤の予定で出勤していましたが、10時過ぎに派遣についての話し合いがあり、その場で手を挙げました。いったん自宅に戻り、派遣に備えて準備をし、家族にも出発の旨を伝えました。私はDMAT(災害派遣医療チーム)の隊員でもあり、当院が島と関わりを持っていることもあって、派遣の可能性は以前から家族に伝えていました。不安もあったと思いますが、理解してもらえました。
その後、病院から正式な派遣依頼の連絡があり、21時に支部に集合して悪石島での活動について打ち合わせを行い、フェリーで島へ向かいました。」
〇派遣の目的と役割
今回の派遣は、災害後の対応ではなく、余震が続く中での活動が前提でした。
主な目的は、傷病者への医療支援ではなく、支援者(看護師・保健師)への支援、島民の不安のケア、そして先発隊としての状況確認・把握・報告と聞いています。
また、今回の派遣は、災害支援ナース派遣前であり、原田看護師が災害支援ナースへの最初の引き継ぎを担当しました。
チームではなく単独での派遣だったため、不安もあったのではないですか。
原田看護師コメント:
「活動を始めるにあたり、1人であることを強く意識しました。荷物の管理、記録、島民のケア、現地の看護師との情報共有など、すべてを1人で行うことに不安がありました。ですが、支部の方や当院の医師と専用のオープンチャットでやり取りができ、相談に乗ってもらえたことがとても心強かったです。」
〇活動内容
原田看護師コメント:
「地震による怪我はありませんでしたが、余震や不安から睡眠不足の方が多く、主に不安の軽減や健康状態の把握を行いました。
話を聞くと、お風呂やトイレなどで閉じ込められるのではないかという不安があり、タイミングを見て利用されていることが分かりました。
私自身も、いつ大きな地震が来るか分からない状況の中で、注意しながらシャワーを浴び、寝るときも救護服を着用していました。
島民の中には車で生活されている方や、水分摂取を控えている方もいたため、浮腫の確認や水分補給の重要性をお伝えしました。」
〇今後の災害派遣への意気込み
原田看護師コメント:
「情報やマニュアルも大切ですが、それに固執せず、現場の声を聞き、自分の目で見て話すことで柔軟に対応することが重要だと感じました。
人によってニーズは異なるため、その場での対応力が求められると思います。」
- 2025.08.01
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